「明けましておめでとうございます」という時候の挨拶から、あっという間に2ヶ月が経過した。今年も1/6が経過したということになる。 年明け早々に国会が開会してからというもの、大臣・与党議員のスキャンダルや問題発言が頻発した。先月書いたように、あまり大臣の「口利き疑惑」にはじまり、丸川環境相の原発被害についての暴言、島尻北方問題担当相が「歯舞諸島」を読めなかったこと(担当大臣なのに!)高市総務省の「放送法に基づくテレビ局の停波発言、そして宮崎議員の「育休」が、実は不倫のためでした、という破廉恥なスキャンダル。これらの問題行動のうち、甘利は大臣を辞めたが議席はそのまま、秘書たちも姿を見せず、与党は証人喚問に応じないという不誠実。丸川・島尻両大臣は口だけの「お詫び」だけに終始。宮崎議員は議員辞職に追い込まれたが、今後は「髪結い亭主」として妻の尻に敷かれっぱなしになることになりそうだ。あまり報道されていないが、法務大臣がTPPと著作権法の問題について答弁不能になる、という不勉強ぶり。どれもこれも10年以上前なら、一つだけでも内閣が吹っ飛ぶ超弩級のスキャンダルだが、ふがいない野党の体たらくに加え、政権べったりのメディアのおかげで、なぜか内閣支持率は高止まりのまま。「このままではまずい」と、ようやく「民主党」と「維新の会」が合流を決めたが、掲げる政策によっては、単なる「数あわせ」に終わる可能性も捨てきれない アメリカでは、冷戦時代の「共産主義アレルギー」の影響で、長らく「社民主義アレルギー」だったが、今度の大統領選で自らを「社会主義者」と言い切るサンダース上院議員が旋風を巻き起こしている。その背景には、広がる一方の格差問題がある。アメリカでも奨学金を払えず、生活苦にあえぐケースが急増している。学歴がないから、低賃金かつ不安定な雇用期間の仕事しかない。それを打破するに、大学に行くしかない。高額な「奨学金ローン」を借りて大学で学位を取得しても、希望に見合った仕事にありつけない。さらに上を目指して大学院に行くが、それでもいい条件の仕事は奪い合いになっているという、負のスパイラル。アメリカの貧困状況について書かれた「ルポ貧困大国アメリカ」は、このブログにも取り上げたが、現状は10年前よりさらに悪化している。貧困にあえぐ彼らの状況を見かねたサンダースは、公約に「すべての公立大学教育の無料化」「富裕層に対する課税強化」を掲げ、貧困層や若者の支持を獲得している。残念ながら⒉日に行われた「スーパーチューズデー」では、ヒラリー・クリントンの後塵を拝する結果になったが、彼の公約は、さすがにヒラリーも口にせざるを得ないところにまでになっている。もっともヒラリーは、大学教育無料化については、最初は「無理だ」と行っていたから、本気で取り組むかどうかは甚だあやしいが。 日本の状況は、アメリカよりも清国といえるかも知れない。何しろ、1970~80年代に一時代を築いた「革新陣営」に代表される、社民主義を掲げる政治勢力の没落が止まらないのだ。日本で「社民主義」の旗を掲げる社民党は少数派に転落し、野党第一党の民主党左派は、党内で主導権をとれない有様。安倍政権に批判的態度をとる知識人やSEALDsなどは「社民主義復権」を掲げて闘っているが、肝心の野党指導者には、その声が届かないのがもどかしい。 それでは、2月に読んだ本のご紹介。
世界金融危機 (岩波ブックレット)
読了日:2月13日 著者:金子勝,アンドリューデウィット
文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)
読了日:2月15日 著者:テリー・イーグルトン
ブタカン!: ~池谷美咲の演劇部日誌~ (新潮文庫nex)
読了日:2月19日 著者:青柳碧人
ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学
読了日:2月25日 著者:アレックス・ペントランド
月刊少女野崎くん (4) (ガンガンコミックスONLINE)
読了日:2月29日 著者:椿いづみ