Révision Du Livre

平和を愛する男がチョイスするブックガイド

2014年1月に登録した読書リスト

今年も年が明けてから1ヶ月が経過した。 近況報告をさせてもらうと、今月早々、愛機(PC)を、3年使ったMacBookWhite(以下MBW)から、ついに念願のMacBookPro(以下MBP)を購入した。動体保存用のWindowsXPマシンが、今年3月のXPサポート切れで利用不可能になること、今年4月に予定されている消費税増税をにらみ、今のうちに買っておこうと思ったからであるが、その読みは正しかった(と信じたい)。もちろん、私みたいな「ワーキングプア階層」が買うのだから、157,000円をポンと出せるわけがなく、当然24回ローンである。払えるのか>自分←自分で自分に突っ込んでどうするw

それにしても、さすMBPである。起動も終了もあっという間、画面もきれい。MBWも購入当初は、それまで使っていたWindowsマシンとは比べものにならないほど快適さを感じていたのだが、OSや使用ソフトがバージョンアップするに従いだんだんと重く、かつ起動・終了に時間がかかるようになってしまった。クリーニングを定期的にしているにもかかわらず、ソフトの起動に1分以上かかるということもあった。おまえは人間か!と一人愛機に突っ込むこともしばしばだったが、それでも「Windowsマシンよりはまし」と我慢していた。自分は今度の愛機を最低5年使うつもりで、8Gメモリ搭載のモデルを購入したのだが、PCの性能はメモリよりもCPUに左右されるのだということを、改めて実感している。

前置きが長くなったが、先月読んだ(or登録した)本の紹介。

2014年1月の読書メーター

小児科を救え!小児科を救え! 読了日:1月3日 著者:千葉智子,堀切和雅
若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か 読了日:1月5日 著者:赤木智弘
DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2014年 01月号 [雑誌]DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2014年 01月号 [雑誌] 読了日:1月8日 著者:
革命機ヴァルヴレイヴ (電撃文庫)革命機ヴァルヴレイヴ (電撃文庫) 読了日:1月13日 著者:乙野四方字
革命機ヴァルヴレイヴ (2) (電撃文庫)革命機ヴァルヴレイヴ (2) (電撃文庫) 読了日:1月20日 著者:乙野四方字
DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 増刊 検証原発事故報道~あの時伝えられたこと~ 2012年 04月号 [雑誌]DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 増刊 検証原発事故報道~あの時伝えられたこと~ 2012年 04月号 [雑誌] 読了日:1月27日 著者:
DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2014年 02月号 [雑誌]DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2014年 02月号 [雑誌] 読了日:1月29日 著者:
読書メーター

小児科を救え!

激務のためにノイローゼになり、勤務先の病院屋上から投身自殺を遂げた小児科医師を父に持つ新米女医と、中日(東京)新聞夕刊に掲載されたコラム「歩くように 話すように 響くように~ミトコンドリア病の娘と」の著者である作家・編集者の堀切和雅のコラボ作品。二人の共著という形になっているが、内容のほとんどは堀切が取材したものであり、新米女医は、堀切のインタビューに出てくるだけである。堀切の娘が、出生以来「ミトコンドリア病」という難病を抱え、小児科の現状に危機感を持ったのが、この本が生まれるきっかけになったが、小児科の現状は、いまもこの本に掲載された実態と変わっていない。ちなみに彼女は研修医を経て父と同じく小児科医になったが、小児科の現場をよくするどころか、自分のライフスタイルを優先し、その結果現場の状況を悪化させることばかりやっているらしいという噂を、ネット上で知った。これが事実なら残念なことである。

若者を見殺しにする国ー私を戦争に向かわせるものは何か

いまは亡き論壇誌「論座」(朝日新聞社発行)に「希望は、戦争」という衝撃的な論考を投稿する形でデビューしたフリーライター赤木智弘のデビュー作。その刺激なタイトルと論考は、世間と論壇から大きな衝撃を与え、左派・リベラル派のライターと赤木は後に「論座」で討論したが、残念ながらこの本には、彼に異議を唱えた意見・論考は収録されていない(おそらく、先方の許可を得られなかったと思われる)ため、どんなやりとりがあったのかはわからないが、私は彼の論考には同意しかねる。当時も今も彼の言っていることは「自分はこれだけ苦労しているのに報われない、だから分け前をよこせ」といっているとしか聞こえないからだ。彼を「教祖」と崇め奉っている「一流大卒」の「氷河期世代」はそれが顕著である。ちなみに私の知人のフリーライターは彼のことを「炎上商法ライター」と評している。この程度の論考しかできない人間が、なぜ原稿料をもらえる「ライター」を名乗っているのか、私には理解できない。彼以上の高度な論理展開と思考力と文章力を持つブロガーは沢山いるのだ。 赤木はこの本を出した頃から、ことあるごとに「希望は戦争だ」と口にし、彼のお望み通り(?)世論は右傾化をたどった。昨日の都知事選では極右の田母神俊雄候補が獲得した61万票の大半は20代・30代の「若者」だが、この傾向を見た赤木は「このままではまずい」とネットでつぶやいているらしい。今まで「戦争」といってきたのに、なんというヘタレっぷりだろう。自分が本当の戦場に送られる可能性を知って、怖じ気づいたのか?田母神に投票した若者は、彼に忠誠を尽くせば、自分は戦場に行かなくてすむのかと本気で思っているのか?今度そんな機会があったら、そのことを問い詰めてみたい。

DAYSJAPAN 2014年1月号

1月号で取り上げられているのは、カンボジアHIVに感染している子供達を対象にしたセラピー施設、特定秘密法や在日外国人に対する「ヘイトスピーチ」を糾弾する特集、尖閣諸島とウチナーンチュの苦悩、成功を夢見て来日した親に同行したが、言葉の問題等で地域から孤立している日系ブラジル人子女の現状、マリ共和国遊牧民トゥアレグ族の実態。切り口こそ違えど、根底にあるのは「人権」であり、いまのメディアが(絶対に)報道しないことばかりである。尖閣問題を取り上げた「沖縄から見る尖閣」は沖縄タイムスの連載企画を元にした記事であり、中央では絶対に得られない切り口で、この問題を取り上げている。

革命機ヴァルヴレイヴ

革命機ヴァルヴレイヴ(1)

革命機ヴァルヴレイヴ(2)

先月の記事でも取り上げたが、鳴り物入りでスタートしたのに、終わってみれば「珍品」という評価をアニメオタク(特にロボットアニメ愛好者)から下された「革命期ヴァルヴレイヴ」のノベライズ版。アニメ版の評判が芳しくないこともあり、こちらの評価も辛い鑑定をされているが、個人的に違和感はない。 武器の説明がアニメ版より詳しく記述されているほか、アニメ版では採用されなかったストーリー展開も随所に盛り込まれている。おそらく当初はこの内容をアニメでやるつもりだったが、放送枠の関係で削られたのだろう。ネット上では「本来1年間かけてやる内容を、無理矢理半分に詰め込んだためにメチャクチャになった」という意見を見かけたが、私もこの見解に同意する。アニメを見て不完全燃焼だと思った人は必見。上記2巻はアニメ版1stシーズンに相当するが、主人公と敵の親玉のバトルシーンは、13話前半のシーンで放映されたものである。

DAYSJAPAN増刊 検証原発事故報道ーあの時伝えられたこと

東日本大震災が発生時、ネット・新聞・民放テレビ・NHK東電保安院・官邸が何を伝え、何を伝えなかったかを検証した一冊。DAYSJAPANは本書刊行に先立ち、2012年2月号(2012年1月20日発行、売り切れ)で同名の特集を組み、こちらでは3月11〜13日までの報道を検証しているが、本書では地震発生から17日までの報道を可能な限り掲載している。各項目は時系列で掲載されているので、縦からでも横からでも読める形式になっているが、これを見づらい思う人も多いだろう。各偶数ページには「検証」と称してDAYSJAPANが独自に集めた記事が掲載されているほか、各項目で注目すべき発言には赤字にしているなど、それなりに工夫されている。これを見ると、民放などの既存メディアは、政府・東電の都合のいい発表を垂れ流し、それに憤ったネチズンおよびフリージャーナリスト達が、いかにして正確な情報を流そうとしたかがよくわかるだろう。本書は12年3月に開催されたDAYSJAPANのイベントで発売され、当日のうちに売り切れた。書店販売分もあっという間に完売し、今ではネット上に出されている古本屋でしか入手できないレア本になっている。

DAYSJAPAN 2014年2月号

なんといっても衝撃的なのは、表紙にも掲載されている「記憶障害の花嫁」である。 今月1日から全国で公開されている映画「抱きしめたいー真実の物語ー」は彼女を扱ったドキュメンタリーを元にしており、原作本もあるので是非見てほしい。 当時高校2年生だった主人公の女性は、酔っ払い運転の車に衝突され転倒、二ヶ月以上も死線をさまよい、一時は植物人間寸前になった。リハビリで体は元に戻ったが、本当に大変なのはここからだった。必死に勉強して大学に合格するが、事故で頭を強打したために「記憶障害」を発症してしまう。何しろ、その日勉強したことをその日のうちに忘れてしまうのだから、その苦労は並大抵のものではなかっただろう。たまたま乗ったタクシーの運転手の実家が、彼女の自宅とすぐそばにあったことから、二人は恋人同士になった。やがて彼女は妊娠し、周囲の暖かい祝福に包まれて結婚し、出産する。ところが、出産直後の彼女をとんでもない運命が襲った…ここから先はとても書けない。神様、あなたはなんて残酷なのですか。 これと対照的な記事が「野良うさぎゴマのものがたり」である。記事に出てくるウサギに癒やされる。親と別れ、ひとりぼっちで海岸をさまよっていた子ウサギ。当初は人間に警戒感をあらわにしていたが、徐々に人間に心を開いていく。掲載されている写真は、人間を信頼していないとできない表情ばかりである。そしてウサギ成長して親になった。この物語も書籍化されているそうなので、機会があったら読んでみたいなと思った。