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Révision Du Livre

平和を愛する男がチョイスするブックガイド

2014年8月の読書リスト

「かっとばせー!」 「○○君ファイトー!」 「感動をありがとう!」 という言葉が飛び交う、偽善に満ちた「暑い(イヤ、ここは「熱い」というべきか?)夏」がようやく終わろうとしている。 季節の上では「秋」なのだが、厳しい残暑はまだまだ続くしね。ちなみに今年は、この年になって「夏バテ」なるものをはじめて体験した。これがとんでもなくしんどいものだったとは。やっぱり私も年をとったのだな。 それはそうと、毎年毎年NHKで放映される「高校野球」のバカ騒ぎは何とかならないものか?昨年は東北勢が2校、今年は北信越税が2校準決勝に進んだが、結局優勝したのは、大都会(昨年は関東、今年は関西)の「野球学校」。なんだか白けるわ。そういえば去年は春夏とも関東勢、今年は春夏とも関西勢が甲子園で優勝したんだよね。まあいいけど。 そこに持ってきて、今年は軟式高校野球でも「前代未聞」の新記録だもんね。延長50回…これは驚くべきなのか?それとも讃えるべきなのか?はたまた非難してしかるべきなのか?一試合が終わるのに足かけ4日間かかり、双方とも一人で試合が終わるまで投げきった。サスペンディッドゲームとはいえ、なんとかならんものなのか?当然相手チームはその間待ちぼうけ。調整がやりにくかったのではと思っていたら案の定、相手チームの監督は、試合終了後のインタビューで「難しかった」とこぼしていたそうだ。大人の押しつける「不条理」に黙って耐え抜く高校生には同情する。欧米でこんなことをやらせたら、間違いなく非難囂々だろうね。 そしてとどめは「24時間テレビ」。はっきり言って、この番組の使命はとっくに終わっている。当時は深夜にテレビをやらないのが当たり前、そんなときに1日中「福祉」「助け合い」をテーマにした番組を24時間、それもスタッフが手弁当で放映することだけでも大きなインパクトだった。だが時代は大きく変わり、出演タレントには高額ギャラが提示され、テレビ放映も24時間が当たり前に鳴り、番組の内容も偽善色がぷんぷん漂う。こんな番組を、今も面白がって観る視聴者の頭の中を知りたい。

さて、先月読んだ本の紹介。

2014年8月の読書メーター

読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1305ページ ナイス数:4ナイス

進撃の巨人(14) (講談社コミックス)進撃の巨人(14) (講談社コミックス) 読了日:8月9日 著者:諫山創
亜米利加ニモ負ケズ (新潮文庫)亜米利加ニモ負ケズ (新潮文庫) 読了日:8月13日 著者:アーサービナード
夢の雫、黄金の鳥籠 5 (フラワーコミックスアルファ)夢の雫、黄金の鳥籠 5 (フラワーコミックスアルファ) 読了日:8月19日 著者:篠原千絵
アジア新世紀〈6〉メディア―言論と表象の地政学アジア新世紀〈6〉メディア―言論と表象の地政学 読了日:8月28日 著者:
へるん先生の汽車旅行へるん先生の汽車旅行 読了日:8月30日 著者:芦原伸
ALDNOAH.ZERO アルドノア・ゼロ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)ALDNOAH.ZERO アルドノア・ゼロ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 読了日:8月31日 著者:原作:OlympusKnights,作画:ピナケス
読書メーター

進撃の巨人(14)

今年8月現在で、シリーズ合計4,000万部を突破した大ヒットシリーズの最新刊。ついでにいえば、新刊書籍雑誌「ダビンチ」でも、42ページにわたってこのシリーズを取り上げているという。さて、どんな記事になっているのか? 連載当初は「人間Vs巨人」の対決の構図だったのに、いつの間にか「人間Vs人間」の対決になっている。話の流れが変わったのは、真相を究明しようという調査兵団の努力の賜なのだが、頼みの綱だったピクシスから連携を断れ、せっかく得た協力者も、謎の集団に抹殺され、彼らを抹殺しようという謎の集団の出現のために、調査兵団からも犠牲者が続出するなど、真相解明は困難を極める。連載開始から5年がたつのに、彼らには未だに希望の光すら見えない。果たして、すべての真相が明らかになるのはいつになるのか?冒頭から拷問シーンが延々と続き、暗殺者に顔を、頭を吹き飛ばされる調査兵団メンバーの姿は、ただただ「グロい」の一言である。

亜米利加ニモ負ケズ

卒業論文の執筆をきっかけに日本語に興味を持ち、23歳で来日して日本語学校に入学。そこで教材として使われていた作品を英訳したことをきっかけに日本語による文芸作品の制作を開始、今は詩・俳句・随筆執筆だけにとどまらず、ラジオの仕事にも積極的に関わるマルチ文芸人の最新文庫版。日本で作品を書く外国人はたまにいるが、彼ほど日本語を高度に駆使する人間は他にいるだろうか?この作品は、彼の中で日米の文化が高度に融合した結果生まれたものである。「ほほう」と思わせるところも「そうなの?」と思うところもあるが、一番印象に残ったのは、世界中で血眼になっている「宇宙開発」は、関係者の利権のためになされている、という見方。宇宙にロマンを感じている人にとっては、この発言はカチンとくるだろうな。

夢の雫、黄金の鳥籠(5)

闇のパープルアイ」などの大ヒット作品で知られる篠原千絵の最新作の最新刊。16世紀のオスマン帝国最盛期の立役者・スレイマン1世とその王妃・ヒュッレムが主人公。もともとは別のマンガ目当てで書店に足を運んだのだが、帯のキャッチコピー「ヒュッレム懐妊」の文字が目にとまり、さんざん逡巡した末に購入。舞台はオスマン朝のスルタン・スレイマン1世の後宮(ハーレム)を舞台に、スルタンを巡る側室とその側近が繰り広げられる、ドロドロの愛憎劇。歴史物・韓流ドラマが好きな人は、すんなり入っていけるだろう。本巻で主人公はめでたく懐妊するが「お腹の子の父親は誰?」という問題が勃発する。スルタンが父親だったらめでたしめでたしなのだが、実は彼女はスルタンに内緒で、彼女を後宮に引き入れた人物と関係を持っていたのだ。もし彼が子どもの父親だったら?不安に思うのは本人だけではない。

アジア新世紀〈6〉メディア―言論と表象の地政学

2005年、岩波書店が発行した学術書「アジア新世紀」シリーズの1冊。タイトルこそ「メディア」という名前がついて入るが、本書では「メディア」以外にも建築、身体パフォーマンス、マンガ、美術なども取り上げているため、実際には「メディア」というより「カルチュアル・スタディーズ」色を前面に押し出していると思って間違いない。イスラム圏も「アジア」に含まれるはずなのだが、この地域を扱う論考はさほど多くなく、その意味ではやや看板倒れ。学術論文色が強いので、この分野に興味のある人以外はあまりお薦めではない。

へるん先生の汽車旅行

ラフカディオ・ハーン」こと「小泉八雲」の人生の軌跡を、実際に運行されている鉄道を使って辿ってみよう、という趣旨で執筆された紀行文。同時に、ハーンが来日前に歩んだ凄絶な人生に絶句。 母と生き別れ、父に捨てられ、大叔母の破産に巻き込まれる形で、不本意のまま渡ったアメリカ。 そこでは親戚に厄介払いされ、ホームレス同然の生活を送る。 記者として成功しかけるも、経営者と衝突を繰り返す。 同棲生活を経たにもかかわらず、破綻した結婚生活。 叶わぬ格差恋愛。 来日を決意したのも、ボロボロになった心身を立て直すものだった。そしてやっと掴んだ幸せ。 彼が日本文化を愛したのは、生まれ育った西洋文化、わけてもキリスト教に対する、拭い難い憎悪の感情があった。「神の前ではみな平等」といいながら、異文化に対して冷徹なキリスト教を、彼は許せなかったのだ。だが今の日本は、彼が思い描いている日本とは似ても似つかぬ姿になってしまった。天上の世界から、彼はどんな思いで今の日本を見つめているのだろう?

ALDNOAH.ZERO アルドノア・ゼロ (1)

今期、ネット上で話題になっている同名ロボットアニメのコミカライズ本。アニメ1~3話分を収録。アニメでの原作を忠実に再現しているが、アニメで触れられなかったオリジナルな場面が挿入されているわけではないので、アニメを見て気に入った人が読んでも、同じような感動を味わえるかどうかは疑問。その逆もまた然りで、画面構成を見て、アニメに興味を持ってくれる人がどのくらいるかどうか?アニメの迫力ある動きを、マンガで再現するには少々無理がある。ただし、原作には忠実に再現されているので「この場面はどんなことをいっているのか?」と気になる人、アニメの復習をしたいと思っている人にはお勧めしたい。