Révision Du Livre

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2014年12月の読書リスト

私はこのブログの原稿をScrivener(「スクリブナー」と読む)で書き、それをプラウザでブログの管理画面にログインし、原稿をコピー&ペーストし、文字飾りをして記事をアップしている人間である。ブログ専用のテキストエディターもあるようだが、お金がかかるのでこの方法を用いている。 Scrivenerは日本でも人気のあるソフトであり、学術論文や脚本、小説などを執筆する人が愛用している。だがご存じの方も多いと思うが、このソフトは外国製であり、英語が苦手な人間にとっては取っつきにくいソフトである。管理人もご多分に漏れず英語が苦手であるが、必要最低限の英語は何とか理解できていたので「だいたいこんなことを言っているのだろう」という、何ともおおざっぱな理解で何とか使いこなしていた。 ところがこの年末発売されたMacfanに、このソフトの日本語化アップデーターソフトが紹介されていることを知り、早速ダウンロード&インストール。ツールバーが日本語化されていることを確認し、自分の思うような設定が出来るようになった。ありがたい限りである。

それでは、先月読んだ本の感想をざっと紹介したい。

2014年12月の読書リスト

進撃の巨人(15) (講談社コミックス)進撃の巨人(15) (講談社コミックス) 読了日:12月12日 著者:諫山創
四月は君の嘘(1) (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(1) (講談社コミックス月刊マガジン) 読了日:12月16日 著者:新川直司
四月は君の嘘(2) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(2) (月刊マガジンコミックス) 読了日:12月20日 著者:新川直司
闘うための哲学書 (講談社現代新書)闘うための哲学書 (講談社現代新書) 読了日:12月24日 著者:小川仁志,萱野稔人
ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫) 読了日:12月28日 著者:宮部みゆき
ソロモンの偽証: 第I部 事件 下巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第I部 事件 下巻 (新潮文庫) 読了日:12月28日 著者:宮部みゆき

進撃の巨人 第15巻

2009年の連載開始から5年あまり。漫画界のみならず、社会や出版業界に影響を及ぼしてきたこの作品も、ようやく真相が見えるところまでたどり着いた。 王政サイドの陰謀により「謀反人」扱いされていた調査兵団。伝説の殺人鬼ケニー・アッカーマン率いる対人制圧部隊、中央憲兵団との抗争に苦しみつつも、分隊長ハンジ・ゾエの機知に富んだ計略、調査兵団の正当性を理解した「ドラ息子」フレーゲル・リーブスの決断により窮地を脱出、クーデターにより王政打倒に成功する。ピクシス指令の狸親父ぶりには舌を巻くが、ザックレー総統が実は「反王制」だったことは意外。そしてこれまでの「王家」とは別の王家が存在し、その王家は104期メンバーの中に存在していたのだ。さらに、その王家はエレンの父親とは意外な因縁があり…。 昨年11月に公開された映画の舞台挨拶で、アニメ2期の制作が発表されたことから、原作も今年中に完結されることが予想される。さて一体、どんな結末を迎えるのだろうか?捕捉されたが供述を拒み、自らを結晶化したアニは目を覚ますのか?ライナー、ベルトルト、ユミルの再登場はあるのか?

四月は君の嘘 第1巻 第2巻

昨年10月から放映されている、同名アニメの原作マンガ。11巻で完結されることが告知されており、アニメも完結まで放映されるそうだ。 主人公は小さい頃から「神童」の名前をほしいままにしながら、その演奏は「人間メトロノーム」「母親の操り人形」「コンクールだけのピアニスト」などと揶揄されるなど、決して評価が高いものだとはいえなかった。彼は「お母さんに喜んで欲しい」一心で厳しい練習を積んでいたが、母の死がきっかけでピアノが弾けなくなり、2年間コンクールから遠ざかっていた。そんなある日、破天荒な少女ヴァイオリニストとで会ったことで、彼の世界は一気に変わっていく… その少女・宮園かをりはやたらと気が強くけんかっ早いが、寂しがり屋で泣きながら「一人にしないで」と主人公にすがるなど、年相応に少女らしさを見せる。 演奏は素晴らしいものだが、演奏直後に手首が震えていたり、舞台上で倒れて入院したりと、初っぱなから不穏な雰囲気が漂う。 果たして、この二人にどんな運命が待ち構えているのか?

闘うための哲学書

1970年生まれの二人の哲学者が、一般市民むけに開催された哲学セミナーの模様を収録したものである。 書棚には星の数多ほど「哲学入門」書があふれかえっているが、それらの本がわかりやすかったためしがない。それもそのはずで、これらの本の作者の多くは、自分の知的レベルにあわせて「解説」しているからである。この本もその例に漏れず、語られていることは難しく、理解するのは難しい。だが語り言葉で綴られているので、他の「入門書」よりは理解しやすいだろう。 本書を読んでみると、いかに「古典」が大事である事が理解できるだろう。この本で取り上げられている哲学者の発言の《修飾語の連続》ほとんどは、現代にも通用する、いや、現代人に一番欠けているのが、彼らの思想である事は明白。この本が、世間に急速に広がっている「反知性主義」を止める手段になればいいのだが。

ソロモンの偽証 第一部(上・下巻)

2012年に刊行された、日本を代表するミステリー小説。その待望の文庫本であり、今年の春に映画化が予定されている作品である。 時は日本がバブル景気に沸き浮かれていた1990年のクリスマスイブ、都内のある中学生が屋上から転落死を遂げた。 学校と警察当局は本件をこの事件を「自殺」として処理し、生徒たちも遺族もそれに納得した…はずだった。 ところがこの「事件」は、自殺した担任きょうしとおなじまんしょんにすむしゅふの歪んだ欲望と、自己顕示欲の強いテレビ局「報道記者」の手によって、あらぬ方向に向かいはじめる。関係者の間に電場する疑心暗鬼。それらが積み重なり、学校の雰囲気は一気に重苦しくなっていく。ヒロインは当初「無関係」を装いつつも、父が警察官ということもあり、ひそかに事件の行方を気にしていた。だが彼女にも「報道記者」がせまってきたことから、ついにある決断をする…