Révision Du Livre

平和を愛する男がチョイスするブックガイド

2015年1月の読書リスト

とんでもないニュースが飛び込んできた。 今月半ばから「イスラム国」に拘束されていた、フリージャーナリストの後藤健二さん他1名が、イスラム国の兵士によって殺されたというニュースが飛び込んできた。 メディアも政府も、このニュースで右往左往。家族は、この事態をどう思っているのだろうかと思うと、心が痛む。 それにしても、腹が立つのは安倍首相の発言である。なぜこの時期に中東を訪れ、現地で 「イスラム軍と戦う各国政府に、総額2億ドルの支援を行います」 と発言したのか?報道によると、イスラム国は数ヶ月前から、日本人を拘束していたらしい。彼らがこのことを公表したのは、安倍首相の中東での発言を受けてのものと考えられる。 今日(2015年2月1日)の会見で安倍首相は「許しがたい行為だ」と涙ながらに語っていたが、内心では「しめしめ、これで堂々と『改憲』や『集団的自衛権』のための関連法案が制定しやすくなったぞ」と思っているに違いない。メディアの報道姿勢も、これからどう変化するか監視する必要がある。

2015年1月の読書リスト

読んだ本の数:7冊 読んだページ数:1851ページ ナイス数:0ナイス

イスラム金融入門イスラム金融入門 読了日:1月7日 著者:吉田悦章
COPPELION(22) (ヤンマガKCスペシャル)COPPELION(22) (ヤンマガKCスペシャル) 読了日:1月8日 著者:井上智徳
ホンのひととき 終わらない読書ホンのひととき 終わらない読書 読了日:1月13日 著者:中江有里
憲法主義:条文には書かれていない本質憲法主義:条文には書かれていない本質 読了日:1月15日 著者:内山奈月,南野森
ウィッチクラフトワークス(8) (アフタヌーンKC)ウィッチクラフトワークス(8) (アフタヌーンKC) 読了日:1月16日 著者:水薙竜
『週刊新潮』はなぜ、読者に読まれるのか―「編集意図」「購買心理」から『週刊新潮』流を読み解く!『週刊新潮』はなぜ、読者に読まれるのか―「編集意図」「購買心理」から『週刊新潮』流を読み解く! 読了日:1月20日 著者:平林雄一
ソロモンの偽証: 第II部 決意 上巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第II部 決意 上巻 (新潮文庫) 読了日:1月28日 著者:宮部みゆき

イスラム金融入門

最近、金融関係者の間で密かなブームになっている「イスラム金融」についての解説本。ただし、タイトルに「入門」が着いているが、金融の素人にもわかりやすく書かれていない、ということに注意。「金融」について、ある程度知識があることが、この本を理解するポイントである。 イスラム金融の意義、歴史、運用実績について、多角的な分析がなされているのが特徴。従来の金融アプローチとはまた違った考えを知りたい人はぜひ。

COPPELION(22)

コッペリオン部隊と「忘れ物係」との対決にやっと決着がつく…と思っていたのだが、問題解決にはまだまだ時間がかかりそうだ。「三教授」が退場したとたん、いよいよ本性を現した強大な敵「イエローケーキ」。「忘れ物係」メンバー・伊丹刹那誕生のおぞましい経緯に背筋が冷たくなる感覚を覚える。「忘れ物係」に拉致された野村タエ子の運命は?その背後でうごめく大国のエゴ。「イエローケーキ」と大国政府とつながっているのだろうか?所詮コッペリオン部隊と忘れ物係は、彼らの掌で踊る存在に過ぎないのかと思うと、なんだか切ない。劇中で主人公が「除染すれば希望がある」と発言しているのは作者の持論なのか、それとも出版社の方針でそうなったのか気になるところ。

ホンのひととき 終わらない読書

近年は女優業の他、脚本家や書評家としても精力的に活動している中江有里の、新聞・雑誌に掲載した関するエッセー・書評を一冊にまとめた本。その文体からは浮かんでくるのは本に対する愛情、長年「週刊ブックレビュー」司会者として共演していた児玉清への深い敬愛の念。彼の本は一冊も読んだことがないが、彼女の文体は児玉清の影響を受けているのだろう。児玉は保守派だったが、彼女は現代を覆う、不穏な動きにわずかながらも懸念を示しているのは嬉しい。この本を見て、読みたい本が沢山あったのは嬉しい収穫。

憲法主義:条文には書かれていない本質

新進気鋭の憲法学者と、アイドルグループ「AKB48」のメンバー・内山奈月の、2日間にわたる『集中講義」のやりとりを収録した、憲法についての本。詳細はこちらの記事を参照して欲しいが、巷に溢れている「憲法入門」の中では、本書が一番易しく解説されている。これはひとえに、内山の功績が大であろう。選挙とは?一票の格差とは?権力と憲法の関係など、この本を見ると、我々がいかに憲法について無知であるかを思い知る。だが問題なのは、「改憲派国会議員の大部分が、憲法の本質について理解していないことだろう。日本の有権者の皆様方、憲法の本質について知らない議員先生に、このまま改憲を許していいのですか?

ウィッチクラフトワークス(8)

昨年1月~3月に放映された、同名アニメの原作最新刊である。 現在はヒロインに守られている主人公が、小さい頃は立場が逆だったという衝撃の事実。主人公の妹の、度を超したブラコンぶりは、某「さすおに」ライトノベルのヒロインといい勝負、いやそれ以上。ここまでくるともはや犯罪だが、ヒロインの主人公に対する偏執狂っぷりも異常である。そんな人間に変態呼ばわりされる姉弟が哀れで…w。ところで、姫様はいつ寝ているのだろう?番外編として、多華宮霞と彼女のクラスメート・田沼さんの出会いの話が収録されている。

週刊新潮』はなぜ、読者に読まれるのか

タイトルと内容が、これほど反比例している本も珍しいだろう。今年一番の、いや今まで買った本の中で、ぶっちぎりのワースト本認定。書店でパラ見したんだけど、中身をろくに吟味せずに買って、猛烈に後悔している。いや後悔なんてもんじゃない、憤り、怒り、その他諸々のどす黒き感情が渦巻いて…。一言で言えばこの雑誌、ただの「弱いものいじめ」じゃないか?他人の生活をこれでもかとばかりに暴き出し、庶民はこれを見て拍手喝采。こんな雑誌がもてはやされている限り、日本のメディアの将来は暗い。

ソロモンの偽証: 第II部 決意 上巻

「裁判をします」ヒロインは宣言する。そして、その準備のために奔走する。本来は、彼女自身が「容疑者」の弁護をしたかった。だが思わぬところから横やりが入り、一転して「検察官」の役割をすることに。真相究明を手助けするどころか「学級裁判」潰しを画策する校長代理、学年主任達。「受験が近い」ことを口実に、非協力的な態度をとる生徒たち。だが救いの手は、意外なところからやってくる。そして浮上した、「容疑者」の自宅放火事件に関する不穏な噂。検察側・弁護側双方からなされる「本件には関わるな」という、大人達の忠告。最後に出てくる「花火師」が意味するものとは?