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Révision Du Livre

平和を愛する男がチョイスするブックガイド

2015年3月の読書リスト

今月から物価が上がった。 買い物のレシートを見る度、消費税の金額を見てため息をつく。まさに消費税は「悪魔の税金」である。値段が高くなったのに、クーポンの割引は半分に削られる。それもこれも、庶民の生活に興味がない為政者が悪い。それでいて、庶民が選挙で自分の意思を見せることもない。こんなこと、他の国では考えられないだろう。「日本の民主主義は12歳」だといったのはマッカーサーだったが、この発言が出たのは70年近く前のこと。安倍政権の独裁を許している現在では、日本の民主主義は12歳どころか、幼稚園レベルに後退しているだろう。野党もメディアもそしてNGOも、誰も彼も信頼できないし信用できない。「選挙」という合法的な手段で歴史的な政権交代を果たしてからわずか5年で、日本は暗黒時代に突入した。こんな時代になろうとは、誰が想像し得たか?権力者と、それを影で操る復古主義者の高笑いが聞えてきそうで胸くそが悪い。この憤りを、どこにぶつければいいのだろうか?弱者の声が、権力者に届くことはあるのか?

演劇最強論演劇最強論 読了日:3月4日 著者:徳永京子,藤原ちから
紙つなげ!  彼らが本の紙を造っている紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 読了日:3月5日 著者:佐々涼子
(ブレインズ叢書1) 「批評」とは何か? 批評家養成ギブス(ブレインズ叢書1) 「批評」とは何か? 批評家養成ギブス 読了日:3月11日 著者:佐々木敦
本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか 読了日:3月16日 著者:成毛眞
ソロモンの偽証: 第III部 法廷 上巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第III部 法廷 上巻 (新潮文庫) 読了日:3月20日 著者:宮部みゆき
虚妄の学園―仙台育英学園高校・その歪んだ実態虚妄の学園―仙台育英学園高校・その歪んだ実態 読了日:3月30日 著者:室井助

 

 

1.演劇最強論

ここ最近の演劇界では、個性的な劇団の活躍が目立っているそうだが、その背景としてアニメやサブカルの影響を受けた劇団主宰者の増加があるらしい。この本は、今の演劇シーンを語る上で、絶対に知っておきたい劇団とその主宰者の紹介、これからの円が気を引っ張っていくであろう主宰者のインタビューなどで構成されている。「小劇場の追いかけ」を自認している人には、これらの知識は必須であろう。日本の演劇は、社会運動と密接な関わりを持つという独特の形で発展してきたが、その伝統は今も健在なようで、現代日本の社会風潮に危機感を持つ劇団主宰者は、私が思っている以上に多いということを感じた。

2.紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

東日本大震災で被害を被ったのは住民だけではない。沿岸にある工場も、また甚大なる被害を受けた。日本の出版業界で使われる紙の4割以上を生産しているという、日本製紙石巻工場も、その中の一つである。被害の惨状を見て、関係者の誰しもが早期復興は困難だと思った。絶望的な状況から、いかにして復活したのか。この本はその道程を記したルポである。恥ずかしながらこの本を見るまでは、日本の出版社が文雇用で使っている紙に、違いがあるとは思ってもみなかった。今度書店を訪れる機会があったら、その違いも確かめて欲しい。

3.「批評」とは何か? 批評家養成ギブス

筆者が主催している評論家養成講座の講義録をまとめたものだが、そこで展開される内容は哲学的でいささか難解である。作者は以前、批評はもっと平易な言葉で語られるべきだと話していた記憶があるが、実際はかくのごとし。それとも、この程度の論理展開すら理解できない頭しか持たない、自分が悪いということなのだろうか?

4.本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか

書評サイト「HONZ」を主催する成毛真・元日本マイクロソフト社長が書いたユニークな「書棚論」だが、この本をそっくりそのまま受け入れようとしてはいけない。はっきり言ってこの本に書いてあることを実行し、効果が見込めるのは、年収も知識(欲)も、それなりの人である人である。書評サイトを見ると、この本の評価が高いとはいいかねる。むしろ興味深いのは、書評の書き方だろう。ぜひ「書評を書いてみたい」という人は、この本をご参考あれ。

5.ソロモンの偽証: 第III部 法廷 上巻

いよいよ開廷した「学級内裁判」。弁護士サイドは、鮮やかな手腕で被告人有利の流れを作っていく。予想だにしない展開に、目をつり上げて歯噛みする、検察官役のヒロイン。あちこちの書評サイトを見ると「今時の中学生に、これだけの論理展開できるか疑問だ」という感想もちらほら。だが読者が思っているほど、中学生はバカじゃない。口にしないだけで、この世の欺瞞・偽善を彼らなりに感じ取っているものなのだ。問題は彼らが大人になった時、この体験をどう今後の人生に生かしていくか。問われなければならないのはそこだろう。「生意気な中学生だ」と舐めていると、絶対にしっぺ返しがくるに違いない。

6.虚妄の学園―仙台育英学園高校・その歪んだ実態

バブル絶頂期に発行され、仙台では学園関係者に買い占められ、裁判の結果絶版になったという、曰く付きの本である。出版されてから四半世紀経つが、その間も野球部が不祥事を立て続けに起こしていることを考えると、この学校が抱える「闇の部分」は、今もなお続いていると考えるのが正解だろう。この学校だけでなく、スポーツで名前を売ろうとしている地方私学の多くが、この学校と似たような体質を抱えていると思って間違いない。しかしこれだけの疑惑を抱えている私学は、他にあるのだろうか?知名度が高い分だけ、抱えている闇は深そうだ。